失速する中国自動車市場、経済成長鈍化や新排ガス規制が重荷に
香港(CNN Business) 世界最大の自動車市場である中国だが失速が続いている。中国の経済成長が鈍化するなか、自動車市場に改善の兆しがほとんど見られないのが現状だ。
浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)は、2019年1~6月期の純利益が40%減少した可能性があると明らかにした。6月単月でも販売台数は29%減少した。
中国での販売台数の落ち込みが予想よりも大きかったという。中国市場での販売台数は33%の減少だった。
海外の自動車メーカーも影響を受けている。米フォード・モーターによれば、19年4~6月期の中国での販売台数は前年同期比で約22%減少した。米ゼネラル・モーターズ(GM)も4~6月期の中国での販売台数は12%減少した。
一部の中国メーカーの落ち込みはさらに激しい。一汽海馬汽車は1~5月期の販売台数が70%減少したと明らかにした。
痛みは関連企業にも波及している。独化学メーカーBASFは利益予測を引き下げた。自動車販売の減速や米中間の貿易摩擦の影響としている。
中国の自動車市場は18年、過去20年超で初めて前年割れとなった。経済成長の鈍化や米中貿易摩擦、今月1日から始まった排ガス規制強化などにより、今年はさらに市場が停滞するとみられている。
自動車市場の減速は、不確実な環境の中で高額な商品の購入に後ろ向きな消費者の存在も一因だが、政府による環境汚染対策の影響も大きい。
中国の自動車販売は、11カ月連続の前年割れの後、今年6月に増加をみせた。ただし、業界団体によれば、これは古い排ガス基準の車を保有していたくない販売店などが在庫処理のために大幅な値引きを行った影響が大きく、依然として市場は精彩を欠いた状況だという。