日本、韓国への貿易優遇措置を撤回 輸出規制強化へ
香港(CNN Business) 日本政府は2日、輸出手続き上の優遇措置を与える「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。日本はすでに半導体材料の韓国向け輸出管理の厳格化に動いており、通商をめぐる両国の対立に拍車がかかった形だ。
改正を受け、日本から韓国への輸出に関しては追加の審査が義務付けられる。当該の品目が武器などの軍事目的に使用されないことを保証するための規制で、今月28日から発効する。
これまで韓国は上記の規制の対象外となるアジア唯一の「ホワイト国」だったが、今後は優遇措置が撤回され、他のアジア諸国と同様の扱いを受けることになる。菅官房長官は「ホワイト国」からの除外について「禁輸措置ではない」と強調した。
2日に河野外相と会談した韓国の康京和(カンギョンファ)外相は、日本政府の決定に遺憾の意を表明。不当な輸出規制措置を直ちに撤回するよう求めた。韓国外務省が声明で明らかにした。
韓国与党の民主党はツイッターで、「我が国に対する経済上の宣戦布告」と日本政府の決定を非難。両国の関係が「危機」に陥っているとした。
韓国は日本にとって第3位の貿易相手国。マサチューセッツ工科大学(MIT)が携わった貿易データ追跡ツールによれば、韓国による日本製品の輸入額は約540億ドル(約5兆7700億円)規模で、輸入品目には産業機械、化学製品、自動車などが含まれる。
日本政府は先月、半導体の材料となるフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目について、韓国に輸出する際の規制を強化していた。