台湾の中華航空、社名変更を検討 新型コロナ支援で中国との混同懸念
(CNN) 新型コロナウイルスの世界的流行に関連し、台湾で航空最大手「中華航空」の社名変更を求める声が再燃している。中華航空の関係者はCNNの取材に対し、社内協議を始めたことを明らかにした。
台湾メディアによると、社名に関する懸念が浮上したきっかけは、世界各地の新型コロナ対策を支援するため、中華航空が医療物資を運ぶ貨物機を派遣したことだった。
台湾のネットユーザーの間ではこのところ、「中華航空」の社名を見た人は台湾ではなく、中国を連想するのではないかと懸念する声が上がっている。
中華航空社はCNNに寄せた声明で、「弊社に関して最近、さまざまな活発な意見を頂いている」と説明。「幅広い問題が絡むことから、開かれた姿勢で社内協議と調査を始めた」と明らかにした。
中華航空は1959年に台湾で創設された会社で、台北にある桃園国際空港を拠点に世界29カ国の160地点に就航している。大株主は台湾政府が全額出資する財団法人中華航空事業発展基金会。
台湾の正式名称は「中華民国」であり、そのルーツは中国本土で清朝崩壊後に中華民国が成立した1911年ごろにさかのぼる。
台湾の蘇貞昌(スーチェンチャン)行政院長は台北での記者会見で、「台湾航空の社名変更問題は一筋縄ではいかない」としたうえで、「ただ、台湾とはっきりさせる必要があるのは事実だ。政府は一つ一つ対応していく」と述べた。
オンライン署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」では2カ月前に社名変更を求める請願が始まり、今月15日の時点で5万人以上の署名を集めている。