米ファイザーのワクチン治験、12歳から対象に
(CNN) 米製薬大手ファイザーが新型コロナウイルスのワクチン開発に向けて実施している臨床試験(治験)の対象者に、12~17歳の青少年を加える計画が明らかになった。
米オハイオ州にあるシンシナティ小児病院のチームが今週中に16~17歳の集団への接種を開始し、その後さらに12~15歳にも拡大する。同病院で治験を統括するフレンク・ワクチン開発センター所長が13日、CNNに語った。
ファイザーも公式サイト上で、12歳からの治験参加について米食品医薬品局(FDA)から承認が得られたことを確認した。
フレンク氏はCNNとの電話インタビューで、新型コロナウイルス感染の抑制には青少年へのワクチン接種が不可欠だと強調。子どもの死亡率は大人より低いものの「ゼロではない」と述べた。
同氏によれば、子どもが重症化して死に至るケースもあり、そのリスクは予測不可能とされる。さらに子どもが両親や祖父母、医療従事者らにうつしたり、重篤な炎症性疾患を起こしたりする恐れもある。
米国内ではこれまでに50万人以上の子どもの感染が確認されているが、実際の人数はそれより多いはずだと、同氏は指摘する。子どもは感染しても病院に連れて行くほどではなく、軽いかぜの症状で済む場合が多いためだ。
同氏によると、青少年の治験参加者を募る広告を見て、すでに90件余りの問い合わせがあった。
ファイザーが独バイオNテックと共同で開発しているこのワクチンは、米国で治験の最終段階に入っている4種類のうちの1つ。すでに3万8000人近くが参加し、そのうち3万1000人以上が2回目の投与を受けた。当局の承認が得られれば年内に1億回分、来年末までに13億回分を供給する構えだ。