英アストラゼネカのワクチン、透明性の不足に専門家から懸念
発表から数日が経過し、これ以外にも混乱を生む点が出てきた。
アストラゼネカの幹部は24日、まずロイター通信に対し、90%の有効性が確認されたグループのワクチン投与量が少なかった理由について、研究室での誤りが原因だと説明。「半分の投与量になったのは偶然」だと述べた。
続けて25日、アストラゼネカとワクチンの共同開発に当たる英オックスフォード大はCNNに対し、「新しいワクチンの投与方法の選択は複雑であり、我々は複数の手法を模索する中で、想定より少ない量を投与したことを発見した」と述べた。
オックスフォード大は26日には一段と踏み込み、CNNに寄せた声明で「製造過程の違い」が誤りにつながったと説明した。
この製造上の問題は後に修正され、治験を監督した英規制当局は「両方のアプローチ」を第3相試験に組み込むことに同意したとしている。
アストラゼネカとオックスフォード大は23日の声明や会見ではこの誤りに言及しておらず、両組織に対して透明性に関する批判が出ている。ただ、アストラゼネカは、治験結果が前向きだったことに焦点を当てるべきだとの見方を示している。