ビーガンレストランが初めてミシュランの星を獲得、フランスのONA
(CNN) 動物由来食品を使わないフランスのレストランが、ビーガン店として初めてミシュランガイドで星を獲得した。
ミシュランガイドの最新版で一つ星を獲得したのは、ボルドー近郊のアレスにあるONA(Origine Non Animale:「非動物由来」の意味)。動物由来食品を使わないレストランがフランスのミシュランガイドに掲載されたのは1900年の創刊以来初めて。
2021年版のミシュランガイドでは、同店を含む54店が初めて星を獲得した。ミシュランは「フランス全土で多様なスタイルの料理が広がり続けている」と指摘。ONAについては「ビーガン料理が初めて脚光を浴び、フランスで一つ星を獲得した」と述べている。
ONAは独学で料理を学んだ元考古学者のクレール・バレさんが経営する。7品のディナーコースの値段は59ユーロ(約7500円)。定番メニューは黒トリュフのニョッキを添えたズッキーニのラビオリ、スイスチャードのバロティーヌ野菜リコッタ添えなど。
バレさんは、ミシュランガイドの国際ディレクターから14日に電話があり、ONAが星を獲得したと知らされて胸がいっぱいになったと話す。「料理は劇場での公演のようなもの。最後の最後までどう受け止められるかは分からない」
バレさんはクラウドファンディングや銀行からの融資で資金を調達して2016年にONAを開業した。途中で資金が底を突いたときは、ソーシャルメディアで募ったボランティア80人の助けを借りて完成にこぎつけたという。
「ビーガン社会にとってこれは朗報。この星は、フランスのグルメ界が包括性を高めている証しになる」とバレさんは話している。