米ネット証券、ゲームストップ株の取引を制限 株価は乱高下
ニューヨーク(CNN Business) 米ネット証券のロビンフッドは28日、ゲームソフト小売り大手「ゲームストップ」などの過熱銘柄の取引を制限する方針を示した。ゲームストップ株は乱高下し、一時40%近く上昇した後に40%あまり下落した。
ロビンフッドは声明で、「我々は継続的に市場を監視しており、必要なタイミングで変更を行う。最近の価格変動を踏まえ、一部の証券の取引をポジションの解消のみに制限した」と説明。AMCやブラックベリー、ベッド・バス・アンド・ビヨンド、ノキアなどの株についても同様の対応を取ると明らかにした。
これに対して即座に反発が噴出した。ロビンフッドは制限実施の数時間後には方針を転換した模様で、29日からは制限対象銘柄の限定的な買いを認めると発表した。
ゲームストップ株は28日の取引で一時、60%以上下落したほか、取引が停止される場面も何度かあった。
ただ、今年年初からの上げ幅は依然950%近く、昨年末に20ドルを割っていた株価は現在、約200ドルまで上昇している。高騰の主因は、ゲームストップ株を空売りするヘッジファンドに打撃を与えるため、個人投資家が団結して買いを入れていることにある。
この現象は「(空売りの)踏み上げ」と呼ばれる。空売りの場合、株価の下落を見込む投資家は株を借りて売る。売った株が値下がりしたところで買い戻して、差額を利益確定してから融資を返済するのが狙いだ。
ただし借りた株が上がり続けると、空売り勢は打撃を被る。理論上、損失は青天井となるため、空売り勢は株価がさらに上がる前に買い戻しを急ぎ、一段と買いが殺到することになる。