ボーイング機のエンジン故障、ブレードに金属疲労の痕跡 米当局が初期調査結果公表

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ユナイテッド航空328便(ボーイング777型機)=22日/NTSB

ユナイテッド航空328便(ボーイング777型機)=22日/NTSB

(CNN) 米ユナイテッド航空の旅客機が離陸後間もなくエンジン故障を起こしてデンバー空港に引き返した問題で、米国家運輸安全委員会(NTSB)は初期の調査の結果、エンジンのブレードに「金属疲労と一致する」損傷の痕跡が見つかったと発表した。当局者は、原因の究明には1年以上かかるとの見通しを示している。

コロラド州デンバー発ハワイ行きのユナイテッド航空328便(ボーイング777型機)は20日、離陸から数分後にプラット・アンド・ホイットニー(PW)製のエンジンが故障してデンバー空港に引き返した。地上には破片が次々に落下。ユナイテッド航空はこの事故を受け、PW4000系エンジンを搭載したボーイング777型機全機の運航を停止した。

PWは航空会社や規制当局と連携して、ボーイング777型機に搭載されているPW4000系エンジンの調査に協力すると表明した。

今回の事故については米連邦航空局(FAA)とNTSBが調査に当たっている。これまでに判明した事実は以下の通り。

故障したPW4000系エンジンには22枚のブレード(羽根)があり、そのうちの1枚がジェットエンジン内部の部品に突き刺さって食い込んでいるのが見つかった。もう1枚は、コロラド州ブルームフィールドにあるサッカー場に落下していた。

NTSBの22日の発表によると、同機の右エンジンのブレードのうち1枚が根元から折れて別のブレードに当たり、このブレードも回転中に折れたと思われる。最初に折れたブレードには、金属疲労と一致する痕跡があった。

同機の胴体にも、機体の空気力学性を高めることを目的とした重大性の低い複合部品にダメージが見つかった。

NTSBによると、問題のエンジンは機体から取り外して詳しく点検する予定。ブレードの一部は22日夜にPWの研究室に運んで23日に点検を行い、どれくらい前からブレードが損傷していたのかを究明する。

乗客のトラビス・ルックさんが機内から撮影した映像には、外装が完全にはがれ落ちたエンジンが映っていた。

機内には張りつめた空気が漂ったが、操縦士から4分以内に着陸するとの案内があり、乗客は「非常に落ち着いていた」とルックさんは証言する。

乗客にけがはなく、残骸が約1.6キロの範囲にわたって落下したブルームフィールドの住民も無事だった。

ブルームフィールド警察は20日、記者団に対し、「この時点でまだ負傷者の報告が一切ないのは衝撃的だ」と述べ、「もしこれが、この前の週末ほど寒くない今日のような日だったら、この公園には何百人もの人がいたかもしれない」と語っていた。

CNN提携局KCNCによると、ブルームフィールドの住民カービー・クレメンツさんのトラックの上にはエンジンカバーが落下して、座席部分を押しつぶしていた。

ボーイングは今回の事故を受け、PW4000系エンジンを搭載した777型機の使用中止を勧告した。

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