上海モーターショーで女性がテスラに抗議、展示車両にのぼり不具合訴え
香港/北京(CNN Business) 中国・上海で開催中の上海モーターショーでこのほど、女性1人が展示されている米電気自動車(EV)メーカー大手テスラの車両の上にのぼり、同社製品の性能に問題があると訴える騒ぎがあった。世界最大の自動車市場である中国では、過去数カ月間テスラ車に対する批判の声が上がっている。
19日に起きたこの騒ぎは映像で記録され、その後中国国内で拡散した。当該の女性はテスラのブースで展示中の車両の上にのぼり、自らの所有するテスラ車がブレーキの不具合を起こしたと主張した。女性の着ている白いTシャツには、テスラのロゴと「ブレーキの不具合」の文字があしらわれていた。
女性はこの後、警備員によってその場から退去させられた。
テスラは同日、中国紙とのインタビューで自社の一部のモデルについて、中国でゼロから開発する計画を発表していた。これらの新型車は中国の消費者を対象にした調査に基づき、「多くの中国的要素」を盛り込んだ製品になる予定だという。
中国での業容拡大は、テスラのグローバル戦略にとって極めて重要だ。同社の最近のデータによると、中国は売り上げ全体の5分の1を占め、同社にとって米国に次ぐ第2の市場となっている。テスラを率いるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)も、長期的には中国が同社の「最大の市場」になる可能性があると述べている。
ただこの数カ月でテスラ車には厳しい評価が寄せられている。内容は製造工程に関する疑問から集計したデータへの懸念まで様々だ。
モーターショーのスタッフの説得を「無視」して展示車両の屋根にのぼった上記の女性はその後、公共の場で秩序を乱したとして5日間拘留されることとなった。同じく抗議のために会場を訪れていた別のテスラ車オーナー1人も同じ理由で行政上の警告を受けた。
警察は20日の声明で、これらの抗議者についてモーターショーの会場に出向いて「自分たちの不満を表明」しようとしたと説明した。
女性がのぼったことで展示車両は破損したという。テスラの中国部門の幹部は地元のメディアで騒ぎについて言及し、「多くの解決策を講じて」当該の顧客との問題をおさめる考えを示した。