米国でおむつが高騰、原料費上昇を反映 低所得世帯に一層の打撃
(CNN) 米国で紙おむつの値段が高騰し、新型コロナウイルスの影響でただでさえ家計が苦しくなった低所得世帯を直撃している。
小売り商品の価格を調査しているニールセンIQによると、使い捨て紙おむつは4月10日までの1年間で8.7%値上がりした。メーカー各社はさらなる値上げを予告しており、小売価格に反映されれば低所得世帯が一層苦しい状況に追い込まれる恐れもある。
米消費財大手のキンバリー・クラークは6月に、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は9月半ばに、それぞれ1けた台半ば~後半のパーセントポイントの値上げを予定している。
紙おむつはただでさえ子育て世帯にとって大きな負担になっている。
子ども1人当たりのおむつ代は月間80ドル(約8800円)前後。支援団体によると、米国では3世帯のうち1世帯が、コロナ禍の前からおむつ購入に苦労していた。
全米で200以上のおむつバンクを展開する非営利団体がコロナ禍の中で配布したおむつの数は、コロナ前に比べて86%増えている。
米連邦政府の食料支援制度はおむつの購入には利用できない。同団体によると、36州はおむつに対して2.5~7%の売上税を課税している。
おむつ値上がりの影響は、特に女性に大きく偏っている。「女性の方が単独で子育てをすることが多く、賃金も低い傾向があり、子どもの面倒を見るために仕事を失ったり勤務時間が減ったりすることも多い」と専門家は指摘する。
値上がりの原因は、メーカーが原料費の高騰などを相殺して利益の減少を防ごうとしていることによる。
需要増大やサプライチェーン(供給網)の混乱、輸送費の高騰によって日用品は値上がりしている。そうした全ての要因が、消費者の財布を直撃するようになった。