マスク氏がテスラの売却提案、アップルCEO就任条件に 新著で明らかに
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車(EV)メーカー、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏が5年前、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)にテスラの買収を電話で持ちかけ、自らがアップルのCEOに就くことを条件にしていたとする逸話が8月1日までに明らかになった。
米紙ロサンゼルス・タイムズが、米紙ウォールストリート・ジャーナルのティム・ヒギンズ記者が近く出版する書物の書評の中で触れた。記事によると、クック氏は自身の職務が奪われることから語気を強めて電話を切ったという。
ただ、両氏は共に話し合った事実は否定している。テスラは当時、主力の「モデル3」の販売に絡み製造の遅れなどの問題を抱える苦難に陥っていた。
マスク氏は昨年12月、ツイッター上でアップルへのテスラ売却を検討したことがあると認めたもののクック氏と実際に話し合ったことは否定。アップルのEVへの参入計画の情報に関連しテスラを当時の時価の「10分の1」で売り渡すことを協議するためクック氏との接触を図ったが、会合を拒否されたことも明かしていた。
マスク氏はロサンゼルス・タイムズ紙の書評が出た後の先月30日、書物の中で記されたようなクック氏とのやりとりはツイッター上でもなかったとも述べた。
一方、ヒギンズ記者はこの説明を受け、テスラ売却をめぐるクック氏とのやりとりはマスク氏自身の説明を聞いたとする関係者に基づくと主張した。
アップル側は書物の内容についてのCNN Businessの問い合わせにクック氏が今年4月に受けた別の記者による会見に言及。この中で同氏はマスク氏と話し合ったことは決してないと述べていた。
書物の「Power Play:Tesla、Elon Musk and the Bet of the Century」は今月3日に出版の予定。