中国の貿易上の報復措置で深刻な影響出ず、豪州財務相
香港(CNN Business) オーストラリアのフライデンバーグ財務相は11日までに、関係悪化が続く中国が豪州産品の輸入に科す「制裁」措置に触れ、他国による輸入増などによる相殺効果もあり自国経済に深刻な影響は出ていないとの認識を示した。
その影響を軽視せず、一部の産業分野や地域にしわ寄せが来ていることは認めながらも、打撃は比較的適度なものと主張。豪州経済の顕著な強靱(きょうじん)性も誇示した。
豪中関係はモリソン豪首相が新型コロナウイルスの起源に関連する国際調査を求めた2020年4月以降に険悪化し、中国はさまざまな名目で豪州産品に高関税を課したり税関手続きを遅滞させたりなどしていた。
両国間の貿易は今年上半期には前年同期比で約54億豪州ドル減少。ただ、同財務相はこの下落幅は他国との貿易が44億同ドル増えたことで減殺されたと説明した。
例えば石炭の対中輸出は過去1年、3300万トン低下したが他国などによる買い付けが約3080万トン拡大したとした。インド、台湾や韓国で新たな市場を開拓したという。
フライデンバーグ氏は豪州国立大学での演説で、米国、日本や韓国との間で利益を望める関係を築いていると主張。外国による直接投資額で中国は6位になっているとも述べた。
財務相は、中国は貿易上の報復措置を打ち出し米国との戦略的競争などを踏まえ豪州に政治的圧力を加えようとしていると強い調子で非難もした。
中国は豪州にとって輸出額や貿易総額で最大の貿易相手国で、2019〜20会計年度では2500億豪州ドル以上を記録。第2の貿易相手国である日本と比べ3倍以上だった。