米下院、債務上限の適用停止法案を可決 上院は通過しない公算大
(CNN) 米下院は29日、連邦政府の債務上限の適用を来年12月まで停止する法案を賛成多数で可決した。ただ、上院は通過しない公算が大きい。
採決の結果は賛成219、反対212だった。民主党のカート・シュレーダー、ジャレド・ゴールデン両議員が共和党議員とともに反対票を投じた。共和党からはアダム・キンジンガー議員が唯一、賛成に回った。
法案は今後上院に送付されるものの、上院では否決されるとみられている。与野党が50議席ずつを分け合う上院では、議事妨害を避けて同法案の審議を進めるに60票が必要となる。共和党は債務上限の引き上げに応じない姿勢を示しており、民主党に対して50票のみが必要な「財政調整措置」を通じて同法案を可決するよう求めている。
民主党側は財政調整措置のルートを求める共和党の呼び掛けに抵抗している。上院の議場で政治的な圧力による修正が相次ぐ可能性があるとの懸念のためだ。また、このルートでは時間がかかり過ぎてデフォルト(債務不履行)の回避に間に合わないとも民主党側は主張する。一方、共和党はそうはならないとの見方を示している。
イエレン財務長官は今週の議会証言で、米国は来月18日までに債務上限に達すると説明。連邦政府の資金が枯渇し、デフォルトに陥る恐れがあると警告した。
下院は先週、債務上限の適用を停止する同様の法案と、今月末の政府閉鎖を回避する法案を一体化して可決していた。だが、上院共和党は27日、この法案の通過を阻止した。