現代・起亜の韓国連合、米自動車販売でホンダ上回る 史上初
(CNN) 2021年における米国の自動車販売台数において、日本の自動車大手ホンダが、韓国の自動車最大手、現代自動車と起亜自動車のグループを下回った。韓国の自動車メーカー2社連合の販売台数は全米5位で、乗用車、トラック、ミニバンを合わせて143万9497台。一方のホンダは130万9222台だった。
韓国連合の主流ブランドだけに目を向けると、現代と起亜は史上初めて、13万台超の差を付けてホンダを上回った。ただ現代の「ジェネシス」、ホンダの「アキュラ」という両者の高級ブランドを含めると、その差は2万2000台と大幅に縮小するが、わずかながら韓国連合が依然リードしている。販売台数は自動車メーカーによって提供された数字となっている。
起亜にとって、同ブランドの売り上げが1年で70万台を突破したのは史上初めて。現代は大口の顧客販売を除いた個人向けセールスにおいて過去最多を記録し、自社の市場占有率が8割増となった。
現代と起亜の販売台数は21年、それぞれおよそ20%増を見せた一方、ホンダは8.2%増にとどまった。販売台数の発表の際、ホンダはサプライチェーン(供給網)の問題で苦慮したことに言及。ただ現代と起亜の両社も、業界全体を覆う半導体不足が困難を生じさせたと認めている。
自動車関連のさまざまなウェブサイト、および自動車販売業者向けのサービスを展開する企業を複数所有するコックス・オートモーティブ社で、分析部門のシニアマネジャーを務めるバネッサ・トン氏は、「半導体が不足すると、供給において余裕があるブランドの方が勝利を収めるということだ」と話す。
トン氏によると、半導体の供給においてうまく対応したように思えるのに加えて、現代と起亜は魅力的な製品から恩恵を受けたと指摘。とりわけスポーツ用多目的車(SUV)の現代「パリセード」、起亜「テルライド」の両モデルが極めて高い人気を博したという。業界アナリストのイバン・ドルリー氏は、両モデルとも依然として高い価格で顧客からの引き合いがあり、かつてはより小型のSUVといった車種で知られていた両社に対し、両モデルが新しい顧客を招き入れたと語っている。
現代と起亜はさらに、他社の多くが撤退したマーケット部門に参入し続けている。双方とも起亜「K5」、および現代「エラントラ」といったセダン車を提供する一方、フォードやゼネラル・モーターズ(GM)は米国市場に向けたセダン車の製造を停止している。
また現代と起亜という別ブランドでの展開が、ホンダのような単一ブランドに対する先天的な優位性をもたらしている。つまり顧客は、モデルや販売店に関してより多くの選択肢を得ることになる。小型セダン車を買い求める人は、ホンダ「シビック」か、現代「エラントラ」、起亜「フォルテ」を選ぶことが可能となる。小型SUVにおいても同じことが言え、各ブランドがある部門において選択肢を1つ提供する場合、現代と起亜はホンダに対して、顧客に引き込む機会を合わせて2度得ることになる。
2つの自動車メーカーを1つと数えるのは奇妙に思えるかもしれないが、現代と起亜は密接な関係にあり、現代の親会社である現代自動車は起亜に対する支配権を有し、両社はさまざまな自社モデルの工程を多数共有している。