ロシア産天然ガスの欧州顧客、プーチン氏の支払い条件受け入れる動き
ロンドン(CNN Business) ロシアから天然ガスを輸入する欧州の最大顧客の中には、今週ポーランドとブルガリアが被ったようなロシア政府による天然ガス供給停止のリスクを冒すのではなく、ロシア大統領府の新しい支払い条件を受け入れる準備を進めているところもある。
ドイツとオーストリアの天然ガス販売会社はCNN Businessに、欧州連合(EU)の制裁に従いつつ、天然ガス代金の最終支払いはルーブルで行わなければならないというロシアの最終通告を受け入れる方法を検討していると語った。
ロシアのプーチン大統領は先月、「非友好的」な国々は契約書に記載されたユーロやドルではなく、ルーブルで支払わなければならないと述べた。買い手はユーロやドルをロシアのエネルギー大手ガスプロム傘下のガスプロムバンクの口座に入金し、ガスプロムバンクがその資金をルーブルに交換して第二の口座に移し、そこからロシアに支払いを行うことができる。
ドイツのエネルギー大手ウニパーは28日、ロシアの天然ガス代金を引き続きユーロで支払うと発表したが、「制裁法に沿った支払い時の通貨交換」は可能だと考えている、と付け加えた。
「具体的な支払い方法について契約相手と協議中であり、ドイツ政府とも緊密に連携している」と同社は声明で述べた。
広報担当者は同日、欧州拠点の銀行ではなく、ロシアの銀行にユーロ建てで支払いを行う予定だと独紙に語った。
ドイツはロシアの天然ガス消費量をウクライナ侵攻前の55%から35%に減らしたが、深刻な不況を避けるために少なくとも来年まではロシアから天然ガスを買い続ける必要があるという。
ウニパーは、短期的にはロシアの天然ガスなしでは対処できないとしている。
「これは我々の経済にとって劇的な結果をもたらすだろう」と同社は声明で述べた。