鉄道ストと人手不足で大打撃の英経済、物価高も苦境に拍車
ロンドン(CNN Business) 英国は雇用問題を抱えている。経済を前進させるのに十分な労働者がおらず、多くの従業員がインフレで給料の大部分が消える状況に怒りを募らせている。
この問題は21日にエスカレートした。数千人の鉄道労働者が賃金アップと労働条件の改善を求めてストライキを行い、鉄道網の大部分が停止するという、過去30年で最大規模のストとなった。23日と25日にもストが予定されている。
ロンドン地下鉄の労働者による別のストでも地下鉄の運行が停止した。
鉄道・海運・運輸労働者全国連合(RMT)は、鉄道のストは数カ月続く可能性があるとしている。今年後半に11%を超えると予想されるインフレ率の上昇に比べて給料が下がるため、教師、看護師、その他の労働者もストを起こす可能性がある。130万人の公共部門労働者を代表するユニゾンは先週「ストを準備中」だと発表した。
業界団体UKホスピタリティーのケイト・ニコルズ最高経営責任者(CEO)は、今月の鉄道ストだけでも、観光、レジャー、演劇業界に10億ポンド(約1670億円)超の損害を与える可能性があると先週メディアで語っている。
夏にストが起これば、低迷している経済に大きな打撃を与えることになる。しかし、航空、ホスピタリティー、社会福祉などの業界では、記録的なスタッフ不足(最後の公式集計では130万人)のためにすでに活動が抑制されている。