デサンティス知事は「共和党の未来」、マードック氏傘下のメディアが報道
ニューヨーク(CNN Business) 有力な保守系メディアを複数傘下に持つメディア界の大物、ルパート・マードック氏は9日、トランプ前米大統領を見限り、フロリダ州のデサンティス知事を次期共和党の指導者として推す意向を明らかにしたようだ。
マードック氏傘下のタブロイド紙ニューヨーク・ポストは9日朝の1面で、中間選挙でのデサンティス氏の勝利を歓迎。デサンティス氏の名前をもじった「DeFUTURE」という見出しを打ち、州知事再選を祝う同氏や家族の写真を掲載した。
マードック氏傘下のFOXニュースも9日、デサンティス氏の勝利を大きく取り上げた。
ギングリッチ元下院議長は「FOX&フレンズ」で、「私はデサンティス知事が今夜の唯一にして最大の勝者だと思う」とコメント。「(デサンティス氏が)トランプ大統領の後を見据える共和党の全関係者の結集点になることはほぼ間違いない」とも述べた。
FOXニュースのホームページでも、デサンティス氏が「共和党の新指導者」になったと宣言する保守派評論家リズ・ピーク氏のコラムが目立つ位置で掲載された。
さらに、マードック氏傘下の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の論説委員会も、「フロリダ州知事再選の『津波』」をうたう社説を掲載した。WSJの論説委員会は保守色が強い。
WSJの論説委員会は「フロリダでの成功が州外の有権者の注目を集めることは間違いないだろう。ドナルド・トランプ氏は浮かない顔で見ていたはずだ」と指摘している。
マードック氏傘下のメディアは共和党の支持基盤や党の有力者に大きな影響力を持つため、その報道は注目に値する。
マードック氏の経営方針を詳しく知る人物は9日午前、CNNに対し「これは偶然ではない」と語った。
ただ、マードック氏傘下のメディアの報道は、これらのメディアがトランプ氏に完全に敵対することを意味するものではない。ここで示唆されているのは、2024年の共和党予備選がトランプ氏とデサンティス氏の対決になった場合には、マードック氏が自身の影響力を行使して共和党員にデサンティス氏支持を促す可能性があるということだ。