英政府、炭鉱の新規開坑計画を30年ぶりに承認
(CNN) 英国政府は7日、物議を醸してきた炭鉱の開坑計画にゴーサインを出した。同国で新規の炭鉱が開坑されるのは30年ぶり。およそ1年前には自国開催の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、石炭からの脱却に取り組むことを約束していた。
ゴーブ住宅・コミュニティー相は同日、イングランド北西部のカンブリア州にあるホワイトヘーブン炭鉱の開坑計画を承認した。同州には世界遺産に登録された湖水地方がある。
同炭鉱は500人以上の雇用を創出すると見込まれているが、環境への影響は顕著だ。政府への助言を行う独立機関、英国気候変動委員会(CCC)は炭鉱並びにそれが産出する石炭によって、毎年900万トン前後の温室効果ガスが排出されると試算する。
炭鉱の支持者らは、計画で雇用が生まれ、国内の製鉄業のための化石燃料が確保できると主張するが、採掘される石炭の85%は輸出に回るとみられている。
CCCは声明を出し、政府の決定を批判。「石炭使用の段階的な停止は、温室効果ガスの排出量ネットゼロ(実質ゼロ)に向けた世界的な取り組みにおける最も明確な要請だ」と強調した。