食品の大幅値上げ、今年も続く 世界大手が相次ぎ予告
ロンドン(CNN) 食品世界最大手のネスレは16日、今年も主な食品の値上がりが続くとの見通しを示した。
コーヒーの「ネスカフェ」やチョコレートの「キットカット」などを製造するネスレは2022年、商品を8.2%値上げした。それでもコストの増大に追いつかず、利益が圧迫されていると説明する。
マーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は電話会見で「世界中の消費者と同様に、我々もインフレで打撃を受け、被った損害を修復しようとしている」と強調した。
値上げは照準を絞り込み、「投入コストのインフレが正当化される」場合にのみ行うとシュナイダー氏は言い添えた。ただ、冷凍食品から菓子、粉ミルクまで2000種類に及ぶ商品のうち、何を対象とするのかについてはコメントを避けた。
商品やエネルギー価格、人件費が上昇する中で、日用品や飲料のメーカーは、ユニリーバ、コカ・コーラ、ハイネケン、コルゲート・パーモリーブ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といった大手各社が今年、一層の値上げを予告している。
エネルギー、乳製品、穀物などの価格は、ピーク時に比べると落ち着いたものの、高止まりが続く。人件費や物流費も上昇しており、小売価格の値下がりは当面の間、見通せない状況だ。
「恐らくインフレのピークは過ぎた。だが物価はまだピークに達していない」。英ユニリーバのグレアム・ピトケスリー最高財務責任者(CFO)は先週の電話会見でそう指摘。アラン・ヨーペCEOは、アイスクリームなどの食品は今年、大幅に値上がりすると予想した。
ユニリーバは昨年9~12月の3カ月で商品の価格を13.3%引き上げた。値上げは8四半期連続だった。