中国アリババ、6部門に分割へ 創業者マー氏率いるビジネス帝国を再編
(CNN) 中国のネット通販大手アリババグループは28日、自社の事業を六つの部門に分割する計画を発表した。広範に拡大した同社を抜本的に再編成するとの約束に沿う動きとなる。ジャック・マー氏の創業から25年近くを経て、大規模な改革に乗り出す。
アリババによれば、各事業部門はそれぞれのトップと取締役会が管轄する。このうちの五つは、「柔軟に外部の資本を調達できるようにもなり、独自の新規株式公開(IPO)を目指す可能性もある」。28日に出た同社の声明が明らかにした。
大規模な再編の前日には、マー氏が珍しく中国で公の場に姿を見せていた。中国政府もこのところ、IT業界への締め付けを緩める意向を示唆していた。
2020年にマー氏が中国の金融規制当局を批判した後、政府はアリババ傘下の金融企業、アント・グループのIPOを阻止し、IT業界を厳しく締め付け始めた。同氏はそれ以来、公の場にほとんど出ていなかった。
しかし今年に入って情勢が変化し、アント・グループは消費者金融部門への増資に向けた重要な承認を勝ち取った。中国はここへ来て、広く企業に対して友好的な姿勢をとっている。
アリババによる大がかりな改革は、検索大手グーグルをはじめとする米テクノロジー企業を参考にしているとみられる。グーグルは親会社アルファベットの設立を通じた企業再編を行った。改革の目的についてアリババは、機敏な事業展開が可能な会社をより多く設立することで、投資家にとっての価値を高めることだとしている。
新たに立ち上げる事業部門はクラウドインテリジェンス・グループ、淘宝(タオバオ)や天猫(Tモール)などのオンラインショッピング・グループ、国内サービス・グループ、物流会社の菜鳥、グローバルデジタルコマース・グループ、デジタルメディア及び娯楽のグループの六つ。
28日の再編の知らせを投資家は歓迎した様子で、米株式市場ではアリババ株が10%を超える値上がりを記録した。