ノルウェー政府系ファンド、エクソンとシェブロンに気候変動対策の強化要請へ
ロンドン(CNN) 運用資産1兆4000億ドル(約197兆円)を誇るノルウェーの政府系ファンドは26日、米石油大手シェブロンとエクソンモービルに温室効果ガス排出削減目標の強化を求める方針を明らかにした。
31日に開催される両社の年次株主総会で、気候活動団体「フォロー・ディス」が提案した動議を支持する方針。両社は株主に否決を呼び掛けている。
フォロー・ディスは両社のほか英BPや英シェル、仏トタルエナジーズといった欧州の石油メジャーに対しても、2020年代の終わりまでに「スコープ3」排出削減へのより野心的な目標を設定するよう要請。スコープ3排出には、顧客がガソリンやジェット燃料、天然ガスなどの製品を使用した際に排出される温室効果ガスが含まれる。
フォロー・ディスは目標が改定されれば、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える目標を掲げるパリ協定に各社の方針がより合致するとしている。
フォロー・ディスを創設したマーク・ファン・バール氏はCNNの取材に、ノルウェー政府系ファンドは「大きな責任」を負っていると指摘。同ファンドが欧州エネルギー企業の株主総会で同様の対応を取らなかったのは意外だとも述べた。
同ファンドはBPとシェルの直近の株主総会では、物言う投資家と共同歩調を取らなかった。
同ファンドは26日、この判断について、BPとシェルは「スコープ3」に関する自社の目標がいかにパリ協定に合致するかを既に示したためだと説明している。
ノルウェー政府系ファンドは国の石油・ガス収入を元手に運用を行う。世界63カ国9200社以上の株式を保有し、総保有高は7900億ドルに上る。
直近のファンドのデータによると、シェブロン株の保有比率は0.86%、エクソンモービル株の保有比率は1.13%。