5年以内に上昇幅「1.5度」超える可能性は66% 世界気象機関

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2016年、強力なエルニーニョ現象による熱帯太平洋の高温化を表した画像/Courtesy NOAA

2016年、強力なエルニーニョ現象による熱帯太平洋の高温化を表した画像/Courtesy NOAA

(CNN) 世界気象機関(WMO)は年次報告書で、今後5年間のうち少なくとも1年間で世界の気温が産業革命前の水準より1.5度以上高くなる可能性は66%に上ると明らかにした。温室効果ガスに加え、近く発生が予想されるエルニーニョ現象が影響するという。

世界が石炭や石油、ガスのような地球温暖化をもたらす化石燃料の燃焼を続けるなか、世界気温は近年上昇しており、その傾向が減速する兆しは見えない。

気温上昇に伴い、今後5年間のうち少なくとも1年間の気温が過去最高になる可能性は98%、5年間全体の気温が過去最高になる可能性も98%に上るという。

1.5度の突破は一時的な現象にとどまる可能性があるとWMOは指摘するが、気候変動がいかに急速に加速しているかを示す最も明白な兆候といえそうだ。

世界各国はパリ合意で、世界の温暖化を産業革命前に比べ2度より十分低い水準、できれば1.5度以下に抑えると約束した。気温上昇が1.5度を超えると極端な洪水や干ばつ、山火事、食料不足に陥る可能性が大幅に増えるため、科学者らは1.5度を重要な転換点と見なしている。

気温上昇に拍車をかける要因としては、化石燃料の燃焼による温室効果ガスの増加に加え、予想されるエルニーニョ現象の到来が挙げられる。エルニーニョ現象は自然現象で、地球温暖化効果がある。

現時点で記録に残る最も暑い年は2016年。その前に非常に強力なエルニーニョ現象が発生していた。エルニーニョ現象が発生した翌年は気温が上がる傾向にあることから、24年は記録上最も暑い年になる可能性がある。

人類による化石燃料の燃焼や温室効果ガスの排出が続くなか、世界気温はすでに約1.2度上昇した。ここ3年間はラニーニャ現象の影響で比較的寒冷だったが、気温上昇は危険水準に達している。

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