危機に瀕するオリーブオイル業界、南欧の猛暑と干ばつで苦境に
米ダートマス大学の気象研究者コリー・レスク氏は、作物は気候変動の影響の中でも猛暑に特に脆弱(ぜいじゃく)だと指摘。CNNの取材に「作物は乾いた大気と乾燥した土壌に挟まされており、長期的なダメージを被り得る」と語った。
イタリア最大の農家団体「コルディレッティ」の経済責任者、ロレンツォ・バッツァーナ氏によると、今夏に熱波や干ばつ、洪水に見舞われたイタリアでは、果物が特に大きな打撃を受けた。
サクランボの収穫量は約6割減り、桃やネクタリンは推定で約3割減、アプリコットも2割減の状況だという。雹(ひょう)や日照りの影響でトマトの生育にも問題が出ている。
インドでは猛暑と豪雨の影響で、トマト価格が400%を超える上昇を記録。インドにあるマクドナルドの一部店舗は7月に一時トマトをメニューから外し、バーガーキングも8月、品質や供給の問題を理由に同様の措置を取った。
米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校農学部のニコラス・ポールソン教授によると、米国では南部や西部の作物が特に影響を受ける見通しだという。
「暑さに非常に乾燥した環境が重なり、小麦、綿花、トウモロコシ、大豆などの主要作物に影響が出るとみられる」(ポールソン氏)
人為的な気候変動で異常気象の頻度と厳しさが増す中、専門家の間では、食料生産への影響が今後さらに深刻化すると警鐘を鳴らす声も上がる。ポールソン氏はCNNの取材に、「農家が直面するリスクの特性が実質的に変化しつつある」と語った。