米フォード、5200億円規模のEV用電池工場建設を中断 ミシガン州
(CNN) 米自動車大手フォードが、35億ドル(約5200億円)規模の電気自動車(EV)用電池工場の新たな建設を中断していることが26日までに分かった。ガソリン車からEVへの移行は、全米自動車労組(UAW)によるストライキでの重要な争点になっている。ストはフォードの他、ゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーの親会社である欧米系自動車メーカーのステランティスに対して行われている。
ミシガン州南部の町、マーシャル近郊に建設予定の当該の工場が今後稼働するのかどうかについて、最終的な決定はまだ下されていない。フォードの広報担当者が明らかにした。
完成すれば工場の面積は約3.84平方キロになる予定。フォードが今年2月に発表した計画では2500人を雇用し、2026年に生産を開始する予定だった。
広報担当者は電子メールでの声明で、競争力を伴って稼働できるとの確信を得られるまで工場建設の計画を中断し、支出を制限していると述べた。「検討すべきことが数多く存在する」としている。
UAWとの交渉が検討事項に含まれるのかどうかは明言しなかった。
EVの組み立てに必要な労働力はガソリン車に比べ著しく低減するため、UAWは自動車メーカーによるEV移行が今後失業の拡大や賃金低下の促進につながるとの懸念を抱いている。メーカー各社は、最終的には全車をEVで展開するとの計画を掲げる。
実際に、雇用の確保は労使交渉の重大な争点となっている。
ロイター通信の報道によれば、一部の政治家はフォードの「中国技術」への依存も厳しく批判している。計画では当該の工場はフォードの完全子会社として運営される。ただバッテリーの製造には中国電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)の「知識」と業務を活用するとしている。
CATLは世界最大のバッテリーメーカーで、米EVのテスラにも製品を供給している。