中国恒大会長に犯罪の嫌疑、当局が「強制措置」 同社発表
香港/ロンドン(CNN Business) 経営難に陥っている中国の不動産大手、中国恒大集団は28日、同社創業者で会長の許家印氏が当局から犯罪の嫌疑をかけられ、「強制措置」の対象になっていると明らかにした。同社株はさらなる通知があるまで取引されないという。
同社と、同社の子会社2社の株式は同日、香港証券取引所で売買が停止された。同社が膨大な負債を再編し清算を回避できるのか、懸念が高まっている。
取引終了後に香港取引所に提出した書類で、恒大は許氏について「犯罪の疑いがあるため、法律に基づき強制措置の対象となった」と「関係当局」から通知があったと明らかにした。
中国の法制度では、強制措置には身柄の拘束や正式な逮捕が含まれる。
米ブルームバーグ通信は27日、この件に詳しい情報筋の話として、許氏が今月初めに警察に連行され、指定された場所で監視されていると報じた。
ブルームバーグの報道によると、許氏は監視下に置かれ、許可なく外出することはできず、人と会ったり連絡を取ったりすることも禁じられているという。
恒大は24日、中国本土にある子会社が規制当局の調査を受けているため、外貨建て債務の再編計画に問題が生じる可能性があると警告。債権者との協議は延期された。
恒大の負債総額は、6月末時点で3280億ドル(現在の為替レートで約49兆円)。債務再編の取り組みが進まない状況を受け、同社の株価は今週大きく下げている。1年5カ月の取引停止を経て先月取引が再開されて以来、同社の株価は80%以上下落している。