職場マナー研修が盛況、オフィスでの振る舞い方を忘れた社員も 米
ニューヨーク(CNN) 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の脅威が落ち着くと、多くの企業は従業員をオフィスに呼び戻す際、従業員の不満に対処しなければならなかった。
企業は今、別の問題に直面している。職場での振る舞い方を忘れてしまった社員だ。
自宅での習慣を職場に持ち込む社員や、オフィス勤務の経験が少ない社員がいる中、職場でのマナー研修の需要がこの2年で急増している。就職支援会社「リジュームビルダー」が昨年7月に行ったアンケートによれば、60%以上の企業が今年マナー研修の実施を計画しているという。
ハイブリッド勤務対策として、チームの生産性をあげつつ社員を満足させる方策の一例が職場マナー関連ビジネスというわけだ。
ニューヨークを拠点とするコンサルタント会社「ボーモント・エチケット」のアン・チャートフ氏によれば、この2年間でマナー研修の依頼が倍増しているという。
電話での声量を気にしない、オフィスを散らかして回る、不適切な社内での会話、間違った紹介の仕方や小説並みに長文のメールなど、研修では職場でよくある不作法を教えている。
仕事にふさわしい服装が分からない、別の意味にもとられかねない絵文字や略語でメールを送る、あるいは、いまだにズーム会議での服装に悩む社員もいる。
こうしたマナー研修は全社員に有益だが、とくに駆け出しの「Z世代」の社員には重要だとチャートフ氏は言う。若い世代は大学やインターンで礼儀作法を学ぶ機会を新型コロナに奪われ、いきなり在宅勤務からのスタートだった。
「ソフトスキルは専門スキルと同じくらい、時にはそれ以上に重要だ」とチャートフ氏。「同僚に嫌な思いをさせたり、顧客に失礼な行動を取ったりしたら、失業したり降格したりすることになる」