キリスト教の儀式で聖体の代わりにポテトチップス?、広告に批判殺到 イタリア
ローマ(CNN) カトリックの修道女を取り上げたポテトチップスのテレビコマーシャルが激しい批判を浴びている。聖体拝領の儀式で使用する薄く焼いたパンをポテトチップスに置き換えるその内容に対し、「冒涜(ぼうとく)的」であり、放映を中止するべきとの声がイタリアのカトリック団体から上がった。
イタリアのアミカ・チップスを宣伝するこのコマーシャルでは、聖体拝領の儀式で司祭から与えられた聖餅(へい)を口にした若い修道女が驚いて目を見張る様子が描かれる。聖餅を食べたときの音が、思いの外大きいことを不審がっているように見える。
修道女や司祭が礼拝堂の奥に目をやると、そこには椅子に座って袋入りのポテトチップスをパリパリ食べる女子修道院長の姿が。先ほどの大きな音はこの院長が食べるポテトチップスの音だったことが明らかになる。
カトリックの教えでは、聖餅はキリストの肉体並びに血であると考えられている。
イタリア国内のラジオとテレビを監視するカトリック団体、AIARTを率いるジョバンニ・バッジョ氏は声明で、30秒間のこのコマーシャルを「冒涜的」だと非難。聖別された物体をポテトチップスになぞらえることで多くのカトリック教徒の感情を傷つけていると主張した。
カトリック教会の新聞「アベニーレ」も社説でコマーシャルを批判。「キリストが1枚のポテトチップにされてしまった。品位を下げ、中傷する行為だ。2000年前と同じだ」と糾弾した。