米ボーイングCEOが退任表明 安全上の問題続く現状受け
ニューヨーク(CNN) 米ボーイング社のカルフーン最高経営責任者(CEO)が25日、年内に退任する意向を明らかにした。安全上の問題に直面する同社経営陣の大幅な刷新の一環。会長と民間航空機部門のトップも同様に退任する。
ケルナー会長は再任への立候補を行わない。取締役会は、米半導体大手クアルコムのCEOだったスティーブ・モレンコフ氏を後任に選定している。
民間航空機部門を率いてきたスタン・ディール氏の後任は、1月から最高執行責任者(COO)を務めるステファニー・ポープ氏が直ちに引き継ぐという。
ボーイングは5年以上にわたり、機体の問題で打撃を受けてきた。737MAX機が2度の墜落に見舞われたほか、最近では今年1月、アラスカ航空の使用する同型機の機内側壁が一部飛行中に吹き飛ぶ事態も起きていた。
この問題を受け、何件もの機体の運航停止を余儀なくされたボーイングは、310億ドル(約4兆7000億円)を超える累積損失を計上していた。
カルフーン氏は従業員に向けた25日付けの書簡を通じ、アラスカ航空機の事案を「ボーイングにとっての重大な分岐点」と説明。退任の意向を表明する中で「うまくいっていないところを修正し、会社を回復と安定に向けた軌道へ戻していく」考えを示した。
25日午前のCNBCとのインタビューでは、退任を「100%」自身の決断と強調した。