大気中の炭素を吸引する世界最大のプラント「マンモス」が始動 アイスランド

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「世界最大」の「直接空気回収技術(DAC)」プラント「マンモス」の外観/Oli Haukur Myrdal/Climeworks via CNN Newsource

「世界最大」の「直接空気回収技術(DAC)」プラント「マンモス」の外観/Oli Haukur Myrdal/Climeworks via CNN Newsource

クライムワークスは1トンの炭素除去にかかる正確なコストは明らかにしなかったが、1トン当たり100ドル(約1万5000円)よりも1000ドルに近いと述べた。100ドルはこの技術を手頃な価格で実現するための重要なしきい値であると考えられている。

同社は「プラントの規模を拡大し、コストを下げることで、30年までに1トンあたり300~350ドルを実現し、50年前後には100ドルを達成することを目指している」と話す。

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の炭素除去装置で除去できる量はすべて合わせても年間1万炭素トンに過ぎず、30年までに世界の気候変動対策の目標を達成するために必要とされる年間7000万トンには遠く及ばない。

他社はすでにはるかに大規模なDACプラントを建設中だ。たとえば、米テキサス州で米石油大手オクシデンタルが建設を進める「ストラトス」は、年間50万トンの炭素を除去するよう設計されている。

ただし問題がある。オクシデンタルは、回収した炭素を地下深くの岩盤に貯留するとしているが、同社のウェブサイトには回収した炭素を「原油増進回収」と呼ばれる工程で使用することも記載されている。これは炭素を井戸に圧入し、到達しにくい石油の残りを押し出すことで老朽化した油田からさらに多くの石油を抽出できる技術だ。

炭素除去技術が化石燃料の生産を長引かせるために使われるのではないかと懸念する人々がいるのはこのような工程のためだ。

化石燃料企業とは関係のないクライムワークスにとってDACは大きな可能性を秘めており、同社は大きな野望を抱いているという。

同社の共同創業者で共同最高経営責任者(CEO)のヤン・ブルツバッハー氏は、マンモスは30年までに年間100万トン、50年までに10億トンの炭素を除去できるよう規模を拡大するという同社の計画の最新段階に過ぎないと語った。

計画には、ケニアと米国でのDACプラント建設の可能性も含まれている。

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