体臭への苦情で「黒人男性全員に搭乗拒否」 米航空会社を提訴
(CNN) 3人の黒人男性が29日、「露骨で甚だしい人種差別」により飛行機から降ろされたとしてアメリカン航空を提訴した。
訴状によると、原告らと黒人男性の乗客5人は2024年1月5日、アリゾナ州フェニックスからニューヨーク市のJFK空港行きアメリカン航空832便から「正当な理由もなく人種のみに基づいて」降ろされたと主張している。
訴状によると、アメリカン航空の担当者が離陸前に各人に対し、飛行機から降りるよう命じたため、原告らはそれに従った。
訴状には「原告らが搭乗ブリッジにやってくると、他の数人の黒人男性も飛行機から降ろされているのが見えた。実際、原告らにはアメリカン航空が832便の黒人男性乗客全員に飛行機から降りるよう命じたように見えた」と書かれている。
アメリカン航空の担当者は男性らに対し、体臭に関する苦情を理由に挙げたが、「実際には原告らは誰も不快な体臭を放っていなかった」という。訴状によると、原告らは搭乗ゲートで、白人の男性客室乗務員が体臭の苦情を申し立てたと告げられた。
男性らは最終的に、再搭乗を許された。航空会社側が調べた結果、その夜は他に利用可能な便がなかったためだ。男性らの再搭乗が決まるまで約1時間かかった。
訴状によれば、男性らは本来の便に搭乗できたものの、白人が多数を占める他の乗客からの視線に耐えなくてはならなかった。乗客らは男性たちのせいでフライトに大幅な遅れが生じたと考えているようだった。今回の出来事は男性らの心を傷つけ、動揺や恐怖を与えるものだったという。
アメリカン航空は声明で「当社は差別に関するすべての申し立てを非常に深刻に受け止めており、当社の利用を選択した顧客に前向きな体験をしてほしいと考えている」とし、この件を調査していると述べた。
原告らは宣言的救済、苦痛に対する正当な補償、アメリカン航空が今後、黒人乗客を差別しないようにするための十分な懲罰的損害賠償、および弁護士費用を求めている。