スペースX元従業員、同社とマスクCEOを提訴 セクハラ訴えたら不当解雇と主張
ニューヨーク(CNN) 米宇宙企業スペースXの元従業員らは12日、同社とイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を提訴した。元従業員らは、社内での性差別とセクハラに関する懸念を表明したために不当に解雇されたと主張している。
カリフォルニア州の州裁判所に提出された訴状によると、2022年に解雇された従業員8人はマスク氏が「女性をブラジャーのサイズで評価される性的対象として扱い、職場でわいせつな性的冗談を浴びせた。『アニマルハウス』の環境に異議を唱える人に対し、それが気に入らないなら他の場所で働けばいいと繰り返している」と主張している。
元従業員らは22年、マスク氏を批判し、スペースXの幹部に会社の文化をよりインクルーシブ(包摂的)なものにするよう促す公開書簡の作成に関与していた。少なくとも400人の従業員が署名したこの書簡はスペースXの経営陣に対し、マスク氏の発言、特にツイッター(現在のX)での発言は同社の見解や価値観を反映していないことを明確にするよう求めていた。
書簡の発表後、8人は解雇された。訴状では「マスク氏が原告の解雇を個人的に命じた」とされている。
スペースXに訴訟に関するコメントを求めたが、すぐには応じなかった。
訴状は、解雇された従業員がスペースXの敵対的な職場環境と「まん延する性差別文化」の一因となったと主張するマスク氏の発言と他の従業員の行動を詳しく述べている。
訴状はマスク氏がツイッターに投稿した複数の下品な投稿を指摘。その中には「テキサスにMITに似た大学を創設して『TITS』と命名し、『D(女性のブラジャーのサイズ)の人が学位を取得できるようにする』という計画と、ロケットを巨大な性器に見せた加工写真が含まれている」と書かれている。
元従業員らは、技術者らがユーモアのつもりで製品に下品で屈辱的な名前を付けることが多く、女性やLGBTQ+(性的少数者)の人々を犠牲にしていることが多いとも主張している。訴状によると、例えばファルコンロケットの1段ステージに搭載され、2段ステージの底部を撮影するカメラには「スカートの中をのぞく盗撮カメラ」という名前が使われていた。
元従業員らは「失った賃金、収入、その他の従業員の福利厚生、および精神的苦痛」に対する金額未定の損害賠償を求めている。