イーロン・マスク氏の「子どもは死んだ」発言、断絶した娘が「全部うそ」と反論
ニューヨーク(CNN) 米実業家イーロン・マスク氏と断絶した娘のビビアン・ジェンナ・ウィルソン氏(20)が25日、反トランスジェンダー的な父の発言に対して強い反論に出た。
米テスラやX(旧ツイッター)を経営するマスク氏はこれに先立つ23日、ウィルソン氏について「生まれながらのゲイでやや自閉症的だった」とXに投稿し、子どもの頃は「私のためにジャケットなど着る服を選んでくれて、『fabulous(素敵)!』と言ってくれた」と付け加えた。
これに対してトランスジェンダーのウィルソン氏は25日、「全部フェイク」とSNSのスレッズに書き込み、マスク氏の描写は同性愛者に対する事実無根の偏見だと反論した。
「私は父の着るジャケットを選んだこともないし、fabulousなんて絶対に言わなかった。私は4歳の時に、fabulousなんて言葉は使わなかった」
ウィルソン氏はそう強調し、マスク氏について「私がどんな子どもだったかなんて知らない。単純にそこにいなかったから。そして彼がいたわずかな時間、私は自分の女性性や性的マイノリティー性をめぐって執拗な嫌がらせを受けた」と振り返った。
マスク氏はここ数年で右傾化の傾向を強め、反移民や反多様性・公平性・包括性(DEI)、反トランスジェンダー的な発言を繰り返している。
22日に右派のポッドキャスト番組に出演したマスク氏は、ウィルソン氏の性別変更については「だまされて」書類に署名させられたと主張。ウィルソン氏の性別変更後に、自分は「意識高い系ウイルスを破滅させると誓った」と語った。
マスク氏は過去にも、反トランスジェンダー的な発言をめぐって批判の的になっていた。
ウィルソン氏は2022年、カリフォルニア州の裁判所に氏名と性別の変更を申請し、父のマスク氏とは一切の関係を断つ意思を表明した。
マスク氏は22日のインタビューの中で、性別変更を受けて自分の子は「死んだ」と思っていると発言。Xには、ウィルソン氏は「女の子ではない」と書き込んだ。
これに対してウィルソン氏は24日にスレッズに掲載した動画で「(自分は)元気で非常にうまくいっている」と語り、25日の投稿では「カリフォルニア州では法的に女性と認められている。自分より下の人間の意見など気にかけない」と言い切った。
ウィルソン氏は最後に、マスク氏に対して「touch some (f*****g) grass」(「外へ出て現実を見ろ」の意味)というコメントを浴びせている。