子どもよりペットが多くなる中国、政府の意に反してブーム増大
それでもペットを飼う人はまだ比較的少なく、今後も成長の余地がある。昨年、中国で犬を飼っていた世帯は5.6%と周辺国に比べて大幅に低かった。日本は09年に17.5%に達している。
一方で、中国の出生数は22~30年にかけて年平均4.2%のペースで減少が見込まれる。これは20~35歳の女性が減っていることや、若者が子どもを欲しがらないことによる。
「出生率が低迷し、ペット飼育が若い世代の家庭に浸透する中で、ペット飼育にはさらに大きな弾みが付く」とゴールドマン・サックスは予想する。
景気が見通せない中で子育て費用が膨らみ続けることを厳しいと感じる夫婦も多い。世界第2位の経済大国・中国は今、若者の失業率の高さや不動産危機といった困難な問題を抱える。
中国当局は現金給付から育休の充実に至るまで、次々と奨励策を打ち出している。しかし東アジアの近隣国と同様に、そうした対策はほとんど奏功していない。
中国の人口は昨年、14億900万人に減り、2年連続で縮小した。出生率は1000人当たり6.39人と、1949年の中国共産党創設以来、最低だった。