中国、「カルバン・クライン」親会社に制裁か 新疆の綿花めぐり
香港(CNN) 中国商務省は24日、衣料品ブランド「カルバン・クライン」「トミーヒルフィガー」などを展開する米アパレル大手PVHに対し、新疆ウイグル自治区で生産された綿花をボイコットした件で調査を始めたことを明らかにした。同社への制裁につながる可能性がある。
商務省は声明で、PVHは市場取引の原則に違反した疑いがあると主張した。同社は中国が2019年に公表した「信頼を欠く事業体」リストに加えられ、制裁対象となる可能性がある。
リストに入ると、中国への輸出入や投資を禁止される。現時点で米企業は5社掲載されているが、いずれも防衛関連のメーカーで、もともと実質的に中国との取引がない。
PVHは25日、CNNへの声明で、事業を展開するすべての国・地域の法令を順守していると強調した。
同社はサプライチェーン(供給網)の指針として、新疆ウイグル自治区の製品を直接または間接的に調達することを禁じている。米国では21年に「ウイグル強制労働防止法」が成立し、同自治区で生産された製品の輸入が禁止された。一方、中国当局は一貫して、同自治区での人権侵害を否定している。
PVHは中国製品を幅広く調達し、中国のほぼ全省に事業所を展開している。制裁は大きな打撃になることが予想される。
これに先立ち、バイデン米政権は23日、中国やロシアの技術を使うスマート車両について、国家安全保障上の理由により米国での販売や輸入を禁止する案を発表していた。