米国の景気後退、確率は35% 金融大手ゴールドマン・サックス
(CNN) 米金融大手ゴールドマン・サックスは、米国の景気後退(リセッション)の可能性について、これまでの20%から35%に引き上げた。米経済は関税の引き上げによる成長の阻害やインフレの再燃、失業率の上昇といったリスクに直面している。
ゴールドマン・サックスは顧客に対し、今後1年間で米経済が景気後退に陥る可能性はこれまでの20%から35%に上昇したと警告した。
ゴールドマン・サックスは、インフレ予想を引き上げたほか、年末時点の失業率予想についても4.5%に引き上げている。
ゴールドマン・サックスは依然として米経済が失速を回避できるとみているものの、他の専門家からは五分五分だとの見方も出ている。今回の数字は、2年前に起きた米地銀の破綻(はたん)によって引き起こされた危機的状況以降で最も高い景気後退の確率となっている。
ゴールドマン・サックスのエコノミストは報告書で、「最近の家庭と企業の信頼感の急激な悪化と、ホワイトハウス当局者がこれらの政策を追求するために短期的な経済の弱さを容認する姿勢を強めていること」を批判した。
消費者の信頼感はここ数カ月で急速に落ち込んでいる。ミシガン大学が先に発表した消費者調査によれば、予想インフレ率が32年ぶりの高水準となるなか、失業率が上昇すると予測する米国人の割合は2009年以来の高い比率となっている。