マッハ20の極超音速機、飛行実験中に通信途絶 DARPA
(CNN) 米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は11日、史上最速の無人極超音速機「ファルコンHTV2」の飛行実験を実施したが、飛行中に同機からの通信が途絶えたことを明らかにした。
HTV2は同日、カリフォルニア州にあるバンデンバーグ空軍基地からロケットを使って打ち上げられた。ロケットからの切り離しに成功して太平洋上空で大気圏に再突入し、空気力学実験のための「滑空段階」に移っていたが、DARPAは現地時間の同日午前11時ごろ、同機との通信が途絶えたことをツイッターで明らかにした。
午後0時半のツイートでは、追跡装置を使ってもHTV2の所在は確認できなかったと伝えた。しかし同機には「自動飛行停止機能」があるとしている。
実験は当初10日に予定していたが、悪天候のため11日にずれ込んだ。目的は制御機能と通信機能および熱に対する耐性など極超音速の影響を検証することにあり、計画通りにいけば太平洋に着水するはずだった。
同機の実験は2010年4月に続いて2度目だった。前回は打ち上げから9分後に連絡が途絶え、太平洋に墜落。しかしこの9分で、商用ジェット機の22倍の速度で飛行できることが実証された。
DARPAの目標は、世界中のどこへでも1時間以内に到達できる極超音速機の開発にある。HTV2の最高速度はマッハ20。大気圏内をこの速度で飛行すれば、摩擦で機体の温度はセ氏約1900度にまで上昇し、空気は還流できなくなるという。