スペイン19世紀のフレスコ画、「修復」のなれの果て 悲惨な結末
(CNN) スペインの教会の柱に描かれていた120年前のフレスコ画が、高齢の一般信者の手で「修復」されて原画とは似ても似つかない状態になっているのが見つかり、地元で騒ぎになっている。
「修復」が行われたのは、スペイン北東部ボルハの教会にある19世紀の画家エリアス・ガルシア・マルティネスの作品。いばらの冠をかぶったキリストの肖像が描かれていた。
ボルハの地域研究センター職員がこの作品を写真に収めようと教会を訪れて異変に気付き、「驚愕した」という。
「修復」を手掛けたのは教会員のセシリア・ヒメネスさん。地元メディアの取材に対し「頼まれたからやっただけ」と話している。作業は堂々とやっており、ほかの信者たちも見ていたが、誰も止めようとしなかったという。
変わり果てたその姿に、地元に住むガルシアの孫のテレサ・ガルシアさんは「作品が破壊されてしまった」とショックを受けている。
作品を元通りにできる手段があるかどうかは不明。地域研究センターは「この言語に絶する行為に解決策があるのかどうかは分からない。しかし再発防止のための対策が必要だ。意図はともかく、強く非難されるべき行為だ」と述べている。
今回の出来事について同センターのブログに寄せられたコメントの中には、英コメディアン、ローワン・アトキンソンが演じる「ミスター・ビーン」の1997年の映画版で、画家ホイスラーの母の肖像画が悲惨な目にあう一場面を思わすとの一文も見られた。