国会をトイレに見立てた漫画家逮捕、メディアは反発 インド
ニューデリー(CNN) インドの国会をトイレに例えるなどして政治の腐敗を風刺した漫画家が治安妨害などの疑いで逮捕された事件で、国内メディアは12日までに言論の自由を主張し反発の声を上げている。
逮捕されたのは漫画家のアシーム・トリベディ氏。ムンバイの裁判所で24日までの勾留を言い渡された。弁護士を通し、保釈を申請せずに 容疑取り下げを求めていく構えを示した。
問題の風刺画は昨年、反汚職デモのさなかに発表された。インドの国章に描かれた3頭のライオンをオオカミに書き換え、国会をトイレに見立てるなどして政治腐敗を皮肉った。
トリベディ氏は治安妨害と国家侮辱の容疑で逮捕され、当局は風刺画が掲載された同氏のウェブサイトへの接続を遮断した。裁判で有罪となれば、終身刑を言い渡される可能性がある。
これに対し、インド報道協会の責任者は「ばかばかしい容疑だ」と発言。有力紙ヒンズーも11日付の論説で、植民地時代に制定された治安法は時代遅れだと批判した。
トリベディ氏は警察に連行されながら、記者団に向かって「この法律には反対だ。自分のしたことに誇りを持っているし、これからも続ける。第2の独立戦争だ」と大声で叫んでいた。