太ったサンタはもう古い? 肥満深刻化で問題視する声も
「サンタが痩せているべきだとは思わない」と笑いながら話すのは、栄養学の専門家ベス・キッチン氏。
健康を測る指標は身長と体重から算出する体格指数(BMI)以外にもたくさんあり、BMIが高くても健康な人はたくさんいると解説する。サンタは9頭のトナカイと何百人もの妖精の面倒を見ているので非常に活動的なはずであり、陽気な性格からはストレス度が低く、血圧も低いことがうかがえるという。
もちろん、サンタは甘いものが大好きだ。一説によると、サンタがクリスマスイブに食べるクッキーの量は5000トン以上。英医学誌に2009年に発表された論文ではサンタを「健康不良児」と位置付けているほか、オーストラリアの研究者によれば、サンタの認知度が高い国は子どもの肥満率が高い傾向があることが分かったという。
サンタは4世紀のトルコに実在していた聖ニコラウスという裕福な若い司教がモデル。親をなくした子どもたちに自分の全財産を分け与えたとされる。
国際サンタクロース団体の創設者トム・クライナー氏によれば、「当時は太っていることが富の象徴だった」という。現代のサンタについて同氏は、お手本というよりも有名人というべき存在であり、「サンタクロースになりたいという人は見たことがない」と指摘した。