アポロ計画のエンジン、40年ぶりに深海から引き揚げ

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船の上に引きあげられた推力室と燃料分流板=Bezos Expeditions提供

船の上に引きあげられた推力室と燃料分流板=Bezos Expeditions提供

(CNN) かつてのアポロ計画に使われたロケットの大型エンジン2基が、約40年ぶりに深海から引き揚げられた。米インターネット大手アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベソス最高経営責任者(CEO)率いる調査団が20日に発表した。

エンジンは米フロリダ州沖の太平洋で、約4000メートルの深海から回収された。ベソス氏は自身のウェブサイトを通じて回収作業の様子を船上から中継。「我々が見た光景は海底のワンダーランド、変形したF1エンジンの彫刻の庭だった」と伝えている。さび付いたロケット部品が甲板に並ぶ写真も掲載された。

F1エンジンはロケット「サターン5」に搭載され、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号などの計画に使われていた。打ち上げ後にエンジンは排出されて海に落下し、見つかることはないと考えられていた。ただし今回回収したエンジンは、「製造番号の多くがなくなったり欠けたりしているため、(アポロ11号で使われたものかどうかの)確認は難しい」(ベソス氏)という。

アポロ11号が月面着陸に成功した1969年当時5歳だったというベソス氏は、大きな夢を持つことを教えられ、困難を覚悟でエンジンを引き揚げようと思い立ったという。過去の記録を手がかりに、高度な音波探知機を使ってエンジンの沈む場所を突き止めた。

ベソス氏は引き揚げたエンジンについて、シアトルにある米航空宇宙局(NASA)の博物館で展示してもらいたいと話している。

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