太陽系の端に新たな準惑星発見 米研究チーム
(CNN) 太陽系のはるか彼方に新たな準惑星が見つかったとして、ハワイのジェミニ天文台などの研究チームが26日の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
ジェミニ天文台のチャド・トルヒーヨ氏によると、新たに見つかった準惑星「2012VP113」は、「太陽系の荒涼地帯」に位置するという。
太陽系から最も離れた惑星は海王星。その先の小さな天体が集まるカイパーベルトには、準惑星に格下げされた冥王星がある。2012VP113はそれよりもさらに遠くにあり、太陽からの距離は83天文単位。これは地球と太陽の間の距離(約1億5000万キロ)の83倍に相当する。
「太陽系のこれほど遠い場所になぜ天体が形成されたのかは分からない」とトルヒーヨ氏。
2012VP113は楕円軌道を持ち、直径は推定約450キロ。構成は不明だが、氷の天体と考えられ、色はやや赤みがかって見えるという。
冥王星より先の太陽系の彼方では、これまでにも準惑星の「エリス」「セドナ」が見つかっている。
カリフォルニア工科大学のマイク・ブラウン教授は、「今回の発見で、セドナが語ろうとしていた物語をついに読むことができるかもしれない。今後数年は、太陽系のこの新地帯で新たな発見が相次ぐだろう」と指摘した。
2012VP113の正式名称は未定。ただ、VPの部分が副大統領(vice president)を連想させることから、研究者の間では非公式に「バイデン」と呼ばれている。