中国の実業家、NYタイムズに「米貧困層救済」の広告
香港(CNN) 中国の実業家、陳光標氏が米紙ニューヨーク・タイムズに広告を出し、米国の恵まれない人々に無料の昼食と現金をプレゼントすると発表したことが19日までに分かった。中国メディアが伝えた。
実業家の陳氏が広告を出したのは16日付のタイムズ。それによれば、ニューヨークのセントラルパークのレストランで今月25日、1000人の「貧しく家のない米国人」に昼食を振る舞うとともに、1人あたり300ドル(約3万円)の現金を支給するという。
陳氏は芝居がかった慈善活動を行うことで知られる人物。広告では、毛沢東時代の人民解放軍兵士である雷鋒(無私の心で人民に尽くす手本とされている)と陳氏の写真が並べられ、「中国の新時代の雷鋒」との文言が添えられていた。
ただしごちそうにあずかるには、電子メールで事前申し込みが必要だ。
廃棄物リサイクル業で財をなした陳氏は、派手な慈善活動で地元メディアの注目を集めている。昨年、四川省で起きた地震では、地震発生から数時間で現場に赴き、被災者に支援金を配って回った。米経済誌フォーブスの「アジアの有力慈善家」に選ばれたことも1度ならずある。
もっとも、陳氏の行為を額面通り受け取れないと考える人もいる。
中国メディアの報道を調査しているコンサルティング会社ダンウェイのジェレミー・ゴールドコーン氏は「陳氏はピエロだ。彼のいわゆる慈善事業は、台北やニューヨークで現金を配るとか、中国の人々に新鮮な空気の詰まった缶を配るといったもので、ただの自己宣伝に過ぎないように思われる」との見方を示す。
陳氏の英文の名刺には「中国で最もカリスマ的な慈善家」など、自分を美化するような「肩書き」がいくつも並んでいるという。