ローマ法王が語る「幸福のための十戒」
8.悪いことはさっさと忘れる
自分を困らせたり苛立たせたりする相手について不平を言ってはいけない。そうしたことはできるだけ早く忘れ去る。人のことを悪く言う人は自分自身がみじめになり、私たちもみじめになる。
9.信教を強要し過ぎない
改宗への勧誘は停滞を招くとフランシスコ法王は説く。自分はキリスト教徒だと公言したとしても、人にはそれ以前に個々の世界観がある。この教えは一見、キリストが世界への布教を促した「大宣教命令」(マタイ28章)に矛盾するように思えるが、フランシスコ法王はこの活動を緩やかに解釈し、実例による教えの方をよしとした。それがキリストの真意だったのかもしれない。
10.平和のために働く
フランシスコ法王は法王に就任した日からこの教えを説いてきた。エルサレムに行ってユダヤ人とパレスチナ人の連帯を働きかけ、平和のために祈り、平和のために働いた。「平和をつくる者は幸いである」というキリストの言葉そのままに。
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以上はフランシスコ法王が説いた幸福と内なる平和のための山上の説教であり、「十戒」といえる。