無人機で追うシャチの隠された生態

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移動も家族で。生後1年のシャチを真ん中に

移動も家族で。生後1年のシャチを真ん中に

(CNN) 米海洋大気局(NOAA)とカナダのバンクーバー水族館の共同調査チームがこの夏、無人機に搭載したカメラからシャチの生態をとらえることに成功した。こうした試みは初めてだという。

撮影が行われたのは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のジョンストン海峡。高解像度カメラを載せた無人機を高度30メートルで飛ばし、13日間かけてこの海域に生息する82頭のシャチを追った。

調査チームはシャチの健康状態を知るてがかりとして、映像からやせているかどうかをチェックした。NOAAのジョン・ダーバン氏によれば、やせた個体では頭蓋骨の形がくっきり確認できるという。

バンクーバー水族館の海洋ホ乳類研究プログラムを率いるランス・バレットレナードはブログでこう述べている。

「やせてきたシャチは、しっかりした流線型の体形を保つために、皮下脂肪の代わりに水をため込むことが判明した。栄養失調が深刻になるまでは横から見てもやせては見えないが、噴気孔の後ろに大きなへこみができる」

ダーバン氏によれば、シャチは群れの仲間がいなくなったことを認識している。

今回の調査の途中、A-37と呼ばれるやせた個体が姿を消した。死亡したとみられる。

空撮調査と同じ海域で音響を調べていた研究チームによれば、A-37が姿を消した前後に、それまで一緒に泳いでいた兄弟の鳴き声が増えたという。

「この鳴き声が兄弟に関係しているのか、探しているのか、それとも兄弟がいなくなったと仲間に伝えているのかは、興味深いけれど分からない。シャチの家族の絆は人間より強いし、これまでずっと一緒に泳いでいた仲間がいなくなれば気づかないはずがない」とダーバン氏は言う。

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