中国が地球帰還の月探査機打ち上げ
香港(CNN) 中国は24日、月の軌道を周回後、地球に戻る無人探査機を打ち上げた。中国によるこの種の実験は初めて。
国営メディアによれば、無人探査機は同国西部の四川省にある西昌衛星発射センターから長征3号Cロケットを使って打ち上げられたという。
計画では約1週間かけて月の軌道周回に到達させ、その後、中国の内モンゴル自治区の草原への帰還を想定している。
中国は2017年に無人探査機を月に打ち上げ岩石などのサンプルを持ち帰って地球に戻す計画を進めている。中国は昨年12月には月面探査機「嫦娥」の軟着陸を実現させている。
米国が宇宙計画を縮小させるなか、9月にはインドがアジアの国としては初めて、探査機を火星の軌道に乗せることに成功するなど、中国に負けじと宇宙開発計画を進める動きも出ている。これを「アジア宇宙開発競争」と呼ぶ人もいる。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(ワシントン)のジェームズ・ルイス上級研究員によれば、中国は米国やソ連が数十年前に手にした能力にすらまだ到達していないという。
経済的にも軍事的にもそれほど利点はないのに中国が宇宙開発に力を入れる理由は、これが中国のセルフイメージを形作っているからだ。自信と威信を取り戻すために国力や富を誇示しているといえる。ルイス上級研究員は、英ノッティンガム大学のブログへの寄稿で、「中国は時代遅れの手法に頼って超大国の座を手に入れようとしているのか。有人探査計画が世界に与える影響という点では、多少はそうした部分もあるかも知れない。だが中国指導部が最も気にしている国内世論について言えば、宇宙計画は計り知れないほど大きな成果を上げている」と述べている。