自転車は「未来の交通手段」 専用道路の建設計画も
同市のボリス・ジョンソン市長は、「自転車は既に、ロンドン中心部でラッシュアワー時の交通手段の24%を占めている」と指摘。専用道路の建設により、道路やバス、電車の混雑が減るほか、大気汚染の緩和も見込めることから、自転車を利用しない人も含めあらゆる人の生活環境の改善につながるとして期待を寄せる。
これと並んで有力なのが「スカイサイクル」計画だ。著名な建築事務所ノーマン・フォスターがデザインを手掛ける。鉄道線路の上に高架式で建設される予定で、実現すれば220キロに及ぶ。また、川底につなぎ止める形で、テムズ川沿いに自転車専用道路を浮かべる計画もある。
さらに、もう使われなくなった地下鉄の駅やトンネルを利用して、地下に自転車道路網を敷設する案まである。この計画を推進する建築デザイン事務所ゲンスラーの取締役、イアン・マルカーイー氏は、「使用されていないインフラを再利用することで、現存する地下鉄の駅とロンドン各地を素早くつなぐのが我々の提案の狙いだ」と話す。
ただ、「サイクルスーパーウエー」建設には84%が賛同しているものの、自転車ロビー団体が他の利益団体と衝突している現状もある。