海面上昇で米NASA発射場に浸水の懸念 移転必要か
ケネディ宇宙センターの施設の多くは沿岸部の湿地帯に建てられ、その海抜は約1.5~約3メートル。満潮時の水面はしばらく前から内陸部へ近づいている。NASAによると、控え目に分析した気候モデルによると、同センターの海抜は2050年代までに約13~約20センチ上昇すると予測されている。
フロリダ大学の海岸地質学者は、ケネディ宇宙センターの発射台が波に浸されるまで数十年かかるかもしれないが、高価で動かせない施設を沿岸部に置き続けるためには何らかの対策が必要と強調している。
NASAの施設が沿岸部に多いのには理由がある。建設に踏み切った数十年前、政府は打ち上げ失敗の影響が海面上に及んだ方が地域社会に利すると判断していたのだ。
海面上昇対策についてNASAは関連施設の設計上の改善や建て替えなどが必要と判断している。重要な研究所、保管や組み立て用の区画などは上位の階に移すかもしれない。ケネディ宇宙センターでは、防水壁の修理や発射台周辺の砂丘整備が日常の作業になる可能性がある。