未確認物体が地球に接近、11月に落下へ
(CNN) 宇宙を漂う正体不明の物体が地球に接近し、11月にインド洋に落下する見通しとなった。隕石(いんせき)にしては軽すぎることから、恐らく使用済み人工ロケットの残骸だろうと専門家は推定している。
物体の直径は約2メートル。欧州宇宙機関(ESA)によれば、地上の人間に危険を及ぼす恐れはほとんどないという。大気圏突入で燃え尽きなかった断片は11月13日、スリランカの南岸沖約100キロの地点に落下する見通し。
「物体は白昼の空で数秒の間、非常に明るく輝いて見え、素晴らしい天体ショーが観測できる」とESAは予測する。
この物体は3日に発見され、「WT1190F」と命名された。専門家が分析したところ、密度は水の10%程度と隕石にしては低すぎることが判明。内部は空洞になっていると思われ、使用済みのロケットブースターの可能性が大きいと推定している。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者、ジョナサン・マクドウェル氏は科学誌ネイチャーへの寄稿で、もしこれが人工の宇宙ゴミだと判明すれば、「忘れられた宇宙の歴史の断片が戻って来て我々を脅かす」ことになると指摘した。
過去には1979年に宇宙ステーション「スカイラブ」が大気圏に突入し、燃え尽きなかった破片がオーストラリアに降り注いだことがある。
現在地球に接近中のWT1190Fについても、世界的な観測プロジェクトが組織されている。