イスラエルのスパイ?、ハゲワシ捕獲も容疑晴れる レバノン
(CNN) レバノンからの報道によると、イスラエルの自然保護区からレバノンに飛来したハゲワシが、スパイの疑いをかけられて捕獲された。
ゴラン高原にあるガムラ自然保護区の追跡調査で、このハゲワシはイスラエルとの国境に近いレバノン南部の村の近くにいることが確認されていた。報道によれば、イスラエルの標識や発信機を付けていたことから、地元の人が不審に思って捕獲したという。足を縛られたハゲワシの写真も公開された。
捕獲されたのはシロエリハゲワシで、中東の猛禽類(もうきんるい)の個体数回復を目指す保護プロジェクトの一環として、テルアビブ大学が翼に標識を、尾にGPS発信機を取り付けていた。
ガムラ自然保護区の鳥類専門家も、レバノンでハゲワシが捕獲されたことを確認。スパイ容疑については「馬鹿馬鹿しい」と一蹴したが、「この地の歴史を考えれば疑われるのも無理はない」と話している。ゴラン高原は1967年にイスラエルがシリアから占領した。
現地からの報道によると、ハゲワシはその後、スパイ容疑が晴れて解放されたという。それからどこへ行ったのかは確認できなくなり、イスラエルの公園当局は健康状態を懸念している。
中東各地では過去にもさまざまな動物を巡ってイスラエルの陰謀説が浮上している。2010年にはエジプトが、相次ぐサメの襲撃にイスラエルの対外情報機関モサドが関与していると主張。サウジアラビアはモサドのスパイ容疑でシロエリハゲワシを捕獲し、パレスチナのイスラム組織ハマスはスパイ装置を装着したイスラエルのイルカを捕獲したと主張していた。