NY―ロンドン間を11分 夢の超音速旅客機誕生か
(CNN) 工業デザイナーのチャールズ・ボンバルディア氏は、マッハ24で空を飛ぶ超音速旅客機のコンセプトを発表した。地球の真裏を意味する「アンティポード」と名付けられたこの旅客機。10人の乗客を乗せ、英ロンドン―米ニューヨーク間を11分で結ぶという。
「地球の反対側にできる限り早くたどり着ける航空機のコンセプトを作りたかった」とボンバルディア氏はフォーブズ誌に語っている。ボンバルディア氏はこれまでに、マッハ10の超音速旅客機「スクリーマー」のコンセプトも発表している。
アンティポードの翼にはロケットブースターが取り付けられており、高度1万2000メートルの高度まで機体を飛ばし、マッハ5の速度を実現する。
搭載するエンジンは「スクラムジェットエンジン」と呼ばれるタイプのもの。通常のジェットエンジンとは異なり、可動部分がほとんどない。また、酸素の詰まった重たいタンクを背負わなければならないロケットと異なり、大気中の酸素を取り込んで燃焼させる。
もちろん、こうしたコンセプトが日の目を見るのは数十年先の話だ。米航空宇宙局(NASA)でさえ、安定したスクラムジェット機は製造できていない。実現に最も近いところにいるのは米国防総省で、2013年に無人で小型のスクラムジェット実験機でマッハ5を出すのに成功している。
もっともボンバルディア氏は、実現が数十年先でも気にはしていないようだ。同氏は自らのウェブサイトの動画でこう述べている。
「大切なのは技術革新だ。あなたのアイディアをシェアして欲しい。そのアイディアが別のデザイナーたちに扉を開き、そこから新しいものが作られていく」